彼は誰時

最北住み。


「真冬の北海道全駅制覇」 -patoさんのチャレンジ企画-

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何故に、真冬の北海道で、全駅制覇しようなどと考えた!? それも僻地に行くほど、年末年始はお店を閉めたり、早仕舞いする店舗も出てくるというのに、何故そんな時に来た? そして、そんな北海道でも、年末年始の JR は観光客や帰省客など人の移動が増えて、いつもの北海道らしい旅情は味わえないというのに、何故今来た?

pato さんとは、「テキストサイト」で有名な方だそうです。読了目安時間50分という大作、旅行チャレンジ企画の Web 記事です。

「2018年12月25日 AM 9:00 クリスマス」スタート

2014年に廃線になった江差線からスタート。バスで廃線沿いを移動します。江差町で朝食を食べられず。

「すいません、このへんに飲食店ってありますか」

「ふざけちゃいかん! あるわけないだろ!」


道南いさりび鉄道乗車

函館到着。クリスマスなので、熱気むんむんのカップルがたくさんいたそうです。(まぁ、有名観光地なので、普段から目にしそうですが)

「そんなの再配達でいいじゃん」

「悪いよ、配達の人に」

「大丈夫、俺なんて毎回再配達だもん」

もう泊まりたいあまり、再配達アピールという訳の分からないことになっていました。

「だいたいさ、アマゾンでなに買ったの?」

「ドッグフード」

「それ、犬が受け取ったりできないかな?」


函館市電乗車

江差駅の跡地や、函館駅でも感じたのですが、どうやら僕はこんな風に線路が終わっている光景が好きなようです。そう考えると、北海道は地理的に他県との繋がりがありませんので、必然的に終端が多いはずです。

そうか! 稚内駅、増毛駅の線路の終点は見たことあるのですが、北海道だけでも他にもたくさんあるのか! 私も観に行ってみたいなぁ。

函館発札幌行に乗車

20:33、札幌着。

こういった全駅制覇をする時のコツなんですけど、夜になったら可能な限り大都会に近づく、これがけっこう大切なのです。

なぜならば、大都会は地下鉄に路面電車、そういった多くの路線があるのです。半面、地方はそういった路線はなく、おまけに終電も早い。夜8時に終わっちゃった、なんてこともあるのです。(中略)

おまけに、大都市は始発も充実していますから次の日の出発も効率良く、おまけにホテルもネカフェも豊富、宿泊に困って路頭に迷うこともありません。日が落ちそうになってきたら大都市に近づく、これは覚えておいてください。

重要、重要。

札幌発岩見沢行に乗車

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札幌の雪はそこまででもなかったのですが、岩見沢に向かうにつれてどんどん雪深くなっていきます。景色はまさに雪国のそれへと変化していきました。

この辺が実に面白いところで、僕らは「北海道」とひとくくりにして考えがちですが、その北海道は場所によって気候も文化も何もかもが違います。そう、ちょっと移動するだけでそこは別世界なのです。

岩見沢はまさに大雪の町なんですよ。「大雪が降りました」って北海道ニュースがある時、その映像に使われる代表的な町でもあります。

そして、札幌から南の方は、冬でもアスファルトや土が見える町があって、大人になってそのような冬景色を目にした時には、本当にびっくりしました。別世界。同じ北海道とは思えませんでした。

日高本線代行バスに乗車

お昼に、日高本線の代行バスに乗車します。

2015年の高波により土砂が流出し、鵡川―様似間が運休となった。その後も台風の襲来などで被害が拡大していき、運休状態が続いたまま、JR北海道は復旧を断念。鵡川-様似間は2020年に廃線と決定された。もう二度とここを列車が走ることはない。

北海道に住んでいても、乗れなかった路線があります。今、この歳になれば、乗ってみたかったなという路線もあります。でも、若い時に戻ったとしても、私の場合、お金がなかったり、仕事や生活で手一杯で、やっぱり乗りきれなかったでしょうね。本当に、汽車や電車に乗って旅行するのが好きだとかいう趣味を持っていないと、意識的に乗れなかったように思います。国鉄、JR は、子どもの頃から特別な時に乗る移動のための乗り物でしたから。

結果として宗谷に長く住むことになり、宗谷のことをだんだんと勉強したいと思うようになった現在では、天北線に乗ったことがないことは、とても残念です。

社会の情勢には疎い人でしたが、生活の中には何らかの形で国鉄があり、日本の人口も増えてきていて、北海道の田舎のほうの町も少しずつ発展しているように子どもの目には映りました。まさか自分が隠居するような歳になる前に次々と廃線していくなんて、想像できませんでした。

静内で代行バスを乗り換えてさらに2時間でやっと様似だ。めちゃくちゃ遠い。苫小牧から実に4時間半。しかも様似は完全に行き止まりの駅なので、そこまで行って帰ってこなくてはならない。つまり往復で9時間。もうむちゃくちゃだな。これだけで今日一日が終わってしまう。さすが最高難度の区間だ。

稚内から札幌まで、JRで5時間以上。その距離を、宗谷の人達は、生活のために移動してます。例えば、病院。あえて都会の病院を選択する人もいれば、稚内の病院から旭川など都市の病院へ通院するように言われることもある。(札幌に通院する人も多いです) 生活以外でも、コンサートとかは、札幌より北の開催はぐんと少なくなる。札幌まで聴きに行かなければいけない。それでも、札幌まで来てくれるだけでもありがたい。

片道5時間。やっぱり遠いですよね? めっちゃ遠いですよね?

ちなみに pato さん、苫小牧、様似の往復9時間の行程、帰りに苫小牧まで戻ってこれなくなる事実に途中で気付き、大慌てで解決策を考えます。この状況、北海道では結構危険です。

基本的に、代行バスは国道なのか大きな幹線道路を通っていくのだけど、代行バスという位置づけなので必ずもう使われなくなった駅に立ち寄っていく。

え、そうなんだ。

きっとそのバスに乗っているのは地元の人も多いでしょう。災害などで使われなくなった駅、そして廃線が決まった駅。地元の人は、バスに乗るたびに毎回見せられるのです。廃線好きの観光客が訪問するのと訳が違う。何とさみしいことなのでしょう。

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ちなみに、北海道の人は早めに駅についてもホームでは待たない。みんな待合室で待つ。寒いからだ。他の地方よりも待合室の利用率は高いと思う。みんなギリギリになってワラワラとホームに出てくる。北海道で暮らすうえでの生活の知恵だ。

そうなのか。そんな違いがあるのか。

10年以上前、札幌駅では、稚内に向かう特急に乗るために30分前には並んでいたな。それでももう列はできていたけど。

もう今はそんなことしない。対価を考えると指定席を取る。その前に、今は途中で乗り換えしなければいけなくなったし、本数のあるバスのほうを利用するようになっちゃったよ・・

石勝線 普通 追分発夕張行に乗車

それも結構な数の剛の者が乗っていた。何かあるのかな、と調べてみたらどうやら新夕張から分岐して夕張へと至る支線は、2019年4月1日、廃線となるらしい。廃線になる前に乗っておこうと集まってきたわけだ。

・・そうだったのか・・ 新聞もしばらく読めない日があるから、知らなかった。今年も、また廃線になるところがあるのですね・・

こういう話を読むと、乗りに行きたくなりますね・・ 廃線前に・・ でも、宗谷線でさえなかなか乗れない生活をしているから、無理だよね。と、自分に言い聞かせる。

根室本線 普通 釧路発根室行に乗車

隣の若者が、あまりに暇になったのか、カバンから大きなタブレットを取り出してネットサーフィンをし始めた。そのタブレットがあまりに大きく、盗み見る気がないのに見えてしまう。どれどれ何を見てますかな、と視線を移すと、18きっぷで日本縦断した人の記事を読んでいた。ワシの記事やんけ。

実際に読んでる人はじめて見るなあ、と思いつつ様子を伺っていると、やはり作者として次第にエキサイトしてくる。そこが笑いどころだ、ほれ笑え! みたいな感じで身を乗り出すのだけど、若者は微動だにしない。クスリとも笑いやがらねえ。あれかな、笑顔をどこかに置き忘れてきた人なのかな。復讐を遂げるまで笑顔は見せぬと誓った人なのかな。

好きなシーン。

東根室駅に到着

15:55、東根室駅に到着。

さすが最も東だな。まだ15時55分なのにちょっと暗くなり始めている。

最南端から最北端の駅まで縦断したことのある pato さんが、最東端も制覇。

最東端に限らず、北海道の日没は早い。16時には暗くなっている。私は、冬の夜は、外を意識するような生活をあまりしてないので、道外の人の感想を目にして改めて自覚します。徐々に日没が早まるので、もう慣らされてる感じ。そんなものだと自然と受け入れている感じです。

釧路駅に到着

3日目にしてミスをしてしまう pato さん。

二度と同じ過ちを繰り返さない、明日からの自分を戒める、という意味で今日はここ釧路の街で自分自身に罰を与えたいと思います。それは「普段絶対にやらないことをやる」です。

罰に選んだ場所が秀逸。いや、北海道の田舎も、こういう場所ばかりじゃないんですけどね。

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毎日、始発から動いていると、冬の北海道は朝が最も美しいと実感できる。夜明けのグラデーションが徐々に姿を現してくる様は圧巻だ。ここ北海道には「冬はつとめて」の世界があるのだ。

そうなんですよ!! 夜明け前からの朝の時間がとても美しいんですよ!!

一日を通して一番気温が下がっている時間帯だから、空気が澄んでいて、空の色が綺麗。一面の曇りでなければ、雲の合間から射す朝日が綺麗なこともあります。雪原に朝日の色が映えるのも美しい。紫から桃色に変わり、すっかり日が昇ると雪原の氷の粒がキラキラと光りだします。夜明けのグラデーションも美しいです。そこに夜の間に積もった樹氷が立ち並んでいたりすると、幻想的な世界になります。

私も、今まで見た冬の朝の景色で印象深かった思い出のひとつが、JR の車窓から見た景色です。夜行列車も寝台列車もまだあった頃で、5時過ぎに車内がざわざわし始めてきたので私も目が覚め、車窓から豊富町の雪に覆われた牧草地帯を眺めていました。少し紫がかった薄い青色の世界。冷たい青白い雪原の向こうに、これもまた雪で青白く化粧された家がぽつんと立っていて、その側に青白い樹氷が深く並んでいました。何もかもがまだ眠っていると思わせる静かで幻想的な世界でした。

あれと同じような景色を見られるものならもう一度見てみたいのですが、まだ見れていません。JR は道路がないような場所も走っていることがあるので、そのせいもあるのではないかと思っています。車ではなかなか出会えない場所で見れた景色だったのかもと思っています。

それに地元に住んでいながら、なかなか朝の写真を撮るためにドライブすることがないんですよね。やはり寒いので気後れするのと、朝から飛び歩けるような生活になっていないためです。除雪車が活動している時間帯ですので、そのことも気になります。それでも、朝の写真を撮りに行けるようにいつか余裕の持てる生活にしたいし、あの時のような景色に、あるいは新しい朝の景色に出会いたいものです。

網走駅に到着

網走で観光をする pato さん。

「いやね、この道は出所した受刑者が歩くわけですよ」

(中略)

「その際にね、網走駅って案内看板があるんですけど、その看板は全部縦の看板なんですよ。どうしてだかわかりますか?」

(中略)

「違うんですよ、駅への看板は出所した受刑者の歩く道を示しているわけでしょ。それが横を向いていると、横道に逸れるっていってね、縁起が悪いんですよ。まっすぐ歩け、という親心、だから看板は縦なんです」


特急大雪4号 網走発旭川行に乗車

日本縦断の時にもこの駅には来ていてその時も言ったが何度も言わせてもらう。本当に旭川駅はかっこいい。デザインも好みだし、駅構造も合理的で素晴らしい。さらにはイオン直結という利便性。たぶん今まで見てきた全ての駅の中で一番好きな駅だ。

私は、あちこちの駅は知らないけど。うん、やっぱり「旭川駅」はカッコいいんだね。

特急宗谷 旭川発稚内行に乗車

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さて、今日は懸念事項である宗谷本線、稚内を片付けたい。稚内は言わずと知れた日本最北端の駅だ。それゆえにめちゃくちゃ遠い。旭川からでも片道で250キロほど、往復では500キロになる。たぶん今日一日はここを取りに行くだけで終わってしまう。ゆえにこの5日目のページだけはスカスカの内容になる予定だ。稚内とはそれだけ遠いのだ。

「スカスカの内容になる予定」。(T T)

「宗谷本線はすぐ運休するよ」

昨日、網走で乗ったタクシーの運転手さんの言葉を思い出した。

(TT TT)

日本最北端の駅、もっとも北にある駅。

本当にここは苦しかった。精神的にかなり苦しかった。3時間40分、延々と雪を見る時間が辛く苦しいものだった。意味不明に怒りだして本当に苦しかった。けれどもそれともおさらばだー! と思ったら、普通にとんぼ返りして同じ時間だけ乗車しないといけないのだった。これはもう悪夢ですよ。

「予定」どおり、記事の中では旅行記としての文が短く、あっという間に旭川駅から稚内駅に到着しています。

まぁ、仕方ないよね。私も稚内に住み始めた頃、苦痛だったよ。音威子府過ぎた辺りから、笹、笹、笹の連続で、風景が変わり映えしないんだよね。夜になれば人家も少なく真っ暗だから、風景を見ることさえできなくなるし。今みたいにスマホがあったら4,5時間もあっという間なんだろうけど、昔は、酔うので本は読めないし、お金もなかったのでウォークマンも持ってなかったし。(それもその頃はカセットテープだから、たくさん持ち歩かなきゃならない) 一度、携帯ラジオを持ち込んでみたけど、全然拾わなかったよ。ネットもなかったので、そんなことも知らなかったさ。

札沼線 普通 石狩当別発新十津川行に乗車

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北海道医療大学駅から札沼線の終着駅である新十津川駅の間は、2020年に廃線が決まっています。

「この列車、乗客全員が剛の者だ」

まるで聖書の如く時刻表の冊子を小脇に抱えた人がたくさんいる。みんな撮影している。会話の内容も鉄道のことばかりだ。すげえ、剛の者列車だ!


函館本線 倶知安発長万部行に乗車、全駅制覇

歳の終わり。無事、北海道全駅取得。(一部位置ゲームアプリの特典も使っています)

最後に pato さんはこうまとめています。

ただ、この北海道を襲った地震の被害は確かに甚大だが、それと同時に北海道の各地で起こっている過疎化、都市への若者の流出、鉄道の廃線に廃駅、自治体の財政破綻、これらも重大で、目を向けなければならない問題だ。そして、それらは近い将来、必ず日本各地で起こる。北海道はちょっとだけ早くそれが起こっているだけだ。

北海道を元気にすることは、近い将来の日本を元気にすることなのだろう。そういった意味で北海道は可能性だ。その可能性を沈めてしまうことは、この国を沈めることに等しい。

すごく面白い旅行記の、最後に涙。北海道を楽しんでくれて、旅行記にしてくれて、ありがとうございます!! 私も楽しんで読みました!