彼は誰時

2011年の記事をまとめてます

夜鳴き蕎麦

ここのところ、不調のせいなのか、寝る時間になってからお腹が空くことがよくあります。いつも眠剤を飲んでいるので、
『寝てしまえば忘れられるっ』
と、自分に言い聞かせるようにしているのですが、その日はなかなか寝付けず、布団の中でぐだぐだとしてました。

「・・お腹空いた・・」

声に出してしまえば、少しは気が収まることもあります。

「何か作るか?」

だんなが聞いてきてくれます。残念ながら、ぱっと食べられるものが家になく、簡単にでも何か作らなければなりません。

「ん~~」
(何か作ってもらうのなら、我慢した方がいいよな・・)

「ラーメン、食べに行くか?」

『!!』

一気に、頭の中が、大好きなトンコツラーメンで一杯になります。

『食べたいっ、食べたいっ、食べたいっ!』

時は、12時になろうとしているところ。実は、次の日、だんなに大事な用があって、そのためにしばし二人で悩んだのですが、だんなもお腹が空いていたらしく、私も夜にしては珍しく体が動いたので、ラーメン屋さんに行くのを決定。

真っ暗な部屋に明かりを点け、パジャマから服に着替え、民家の明かりが消えた真っ暗な外へ出て、車に乗り込み、出発。

こんなこと、結婚してから初めてのはず。まだまだ早い時間に夜のドライブに連れて行ってもらったりすることはありましたが、布団に入っていたところを起き出して真夜中にふらっと外出するなんて初めて。

何だか “家を抜け出した” っぽくて。私達にとっては、非日常な出来事で。その非日常的な感じが、何だか小説のシーンを味わっているかのようで。とてもとても楽しいひとときでした。

そう、楽しかったんだけど。ラーメン屋さんに入って、ラーメンを食べているうちに、だんだんと物悲しさをも感じてくるのです。でも、本当に楽しかったから、その物悲しさを味わうのも楽しんでいるのですが。

「北の国から」 のシーンを思い出すのです。五郎さんと純と蛍が、夜に食堂でご飯を食べているシーン。ラーメンだったと思うんだけど。純が自分の罪を父に告白するシーンだったはず。

別に私は罪を告白しているわけでないし。あのドラマの食堂とは違って、明るい店内だったし。他にお客さんもいたし。

真夜中のラーメン屋さんには、何故だか物悲しさを感じる。

昼間に家族でラーメンを食べに来るのとは違い。飲み会などの後に、仲間でラーメンを食べに来るのとも違い。一人でラーメンを食べに来るのもと違う。

だんなと二人、言葉少なに、ラーメンを囲む。

家族で、夜のラーメン屋さんで、ラーメンを囲むのは。何故だかそこはかとない悲しさを感じる。不思議だけど、そんな感じがしました。

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礼文島と夕焼け空。 '07.9.5